お前は、野生の狼か?飼い犬か?
誰もが誰かの飼い犬である
狼のように猛ってみても、少なくなくとも国家権力のもとには敵わない
一定のルールのもとでの弱肉強食なのである
ただ、大事なのは精神まで飼われているか、自由かなのである
そして、これは知的な戦闘力を身につけているか、磨いているかが分かれ目なのである
ただのワイルドは、一定ルールのもとで制裁を受け抹殺される
一定ルールに従いつつも、そのルールの中で知的な戦闘力を磨き、リベラルアーツを身につけ、精神的な自由を手に入れた者が最強なのである
この映画は、犬がよく出てくるし、対比で狼が題材に使われている
映画のタイトルや象徴的なジッポのエンブレム、そしてラストシーン
だから、以上のようなことを思った
以下蛇足
本作はひたすら鈴木亮平さん扮する上林の映画である
圧倒的な暴力で周囲を蹴散らす、しかもただの衝動による暴力
ヤクザ界の掟は通用せず、狐狼のようだ
しかし、結局は国家権力に抹殺される
一方で、松坂桃李さん扮する日岡も、ヤクザと手を結び、広島の治安を守っていると気負ってはいるものの、やはり国家権力の犬の域は出られない
まさに国家権力の中枢に近いところで糸引く監理官だとて同じ犬である
そして、誰も精神的な自由は持っていない
狭い世界で、勝ったの負けたのである
唯一精神的な自由に近かったのは、ラストシーンの日岡ではないだろうか?
だから狐狼が一瞬見えた、幻かもしれないが
このラストシーンは観賞中はいるんか??と疑問だったが、レビューで意味に気づいた気がする