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孤狼の血 LEVEL2のRYOのネタバレレビュー・内容・結末

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

前作のレビューでも書いたけれど、今回は1作目のラスト同様、完全オリジナルストーリー。

1作目の原作ラストでは、日岡は大上の遺体の状態を一ノ瀬に報告した後、後はこちらがやるという言葉で、五十子の処理は暴力団に任せ、嵯峨に啖呵を切ったことで地方に左遷される形。
映画では1作目のラストが違ったところから、大上の意思をそのまま継承した訳ではなく、オリジナルの日岡が生まれた印象だった。

今作では記者の放った、大上は自分を外道としながらその道を進んでいたけれど、聖人面して外道な事をしている日岡の方が酷いと言った言葉通り、ただの暴力刑事のようだった。
警察からも暴力団からも見放され、孤立無援となった、渇いた犬のような演技は良かったけれど、飄々とした雰囲気で暴力団とやり取りする部分では、役所さんの方が味があったかも。

鈴木亮平さんの演技は見事だった。
仁成会のメンバーがコメディータッチに描かれすぎていて、その辺りは個人的にはマイナス。
五十子会のメンバーって、仁義も何も無いような人たちの集まりという設定だったはずだけれど、親が殺されてあそこまで落とし前を付けようとする上林が、何故五十子会にいたのかは疑問だった(ただ暴れたかっただけかも)。
看守さん、あそこまで脅されて出所日近辺に家族の身辺警護は頼めなかったのかな?
今回はコンセプトの一つとして、日岡をひたすら虐めるという事があったと監督は話していたけれど、確かにボコボコにやられていて意図通りにはなってたかも。

今作ラストで原作2作目に繋がりそうだったけれど、死なないはずのキャラが今作で死んだりしてたので、素直に繋げる気は無さそう。
画に動きもないので、映画としての見せ方が難しそうだけれど、次回作があるならようやく正式に大上の意思を継ぐことになるのかな(原作では2作目ラストで、一ノ瀬の兄弟分のヤクザと盃を交わし、大上が隠していたノートと2000万を継承)。
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