ピポサル

孤狼の血 LEVEL2のピポサルのレビュー・感想・評価

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
3.9
上林のバックボーン、そして幸太のルーツを知ったうえでの憐れみが切ない。残飯を食べて飢えを凌ぐしかない石ころのような存在だと常に自覚していたため、上林にとって幸太を殺めたのはある種救済のような感覚だったんだろうな、知らんけど。
鈴木亮平の怪演だけでも観る価値はある。凶暴で邪悪な存在ではあるんだけど、一方で頭が冴えていたり絶対にブレない軸があったりそういう魅力もある。
大神も上林もオオカミとして駆除されるけど、日岡は悲惨な状況でもしれっと生き残って飼い慣らされる五十子会の犬みたいで常にオオカミを一種の憧れのように追いかけ続ける存在であるという対比もおもしろかった。
ストーリーも予想だにしない展開があっておもしろいけど、松坂桃李演じる日岡が拘束されている警察署から脱走し始まるクライマックスから失速してしまう。カーチェイスに迫力はないし、その後の上林とのボコり合いも異常に日岡がタフで強すぎてそれまでの上林の凶暴さはどこに行ってしまったの、と。まあ主人公補正でしょうがないとは思うけど、なんかもったいないなと思った。
関係ないけどいきなり基町アパートが写ってグッときた。
ピポサル

ピポサル