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真実のkassyのレビュー・感想・評価

真実(2019年製作の映画)
3.3
是枝監督がカトリーヌ・ドヌーヴを主演に据え、その娘をジュリエット・ビノシュが演じ、女優とその家族の形を描いている映画。

是枝監督らしさとはなんだろう?とふと考える。
家族の形、擬似家族の形…
やはり中心は家族。
私が是枝監督が好きなのはこの家族に多角的に真っ直ぐに向き合っているからだと思う。

女優の母が書いた告白本「真実」。
そこには真実ではない虚構が描かれ、真実の中にいる人たちは傷つく。
傷つくのは、彼女が好きだからなのだろう。真実は本の中にはなく、彼女の言葉の裏にある。
劇中の映画の役柄を演じることの葛藤が、真実を浮き彫りにし、その真実を知ったときに、本当の家族になる。

映画としては、嫌いではない。
ただ、やはりどこかいつもの是枝監督の作品と比べると…乗り切れないのも事実だった。
それもまた真実。
「真実」という言葉の重みにしては、私には少し肩透かしな映画であったし、捉え所のない映画だった。

カトリーヌ・ドヌーヴの存在感はお見事。
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