KANA

戦慄の絆のKANAのレビュー・感想・評価

戦慄の絆(1988年製作の映画)
3.7
油が乗った時期のクローネンバーグが撮ったサイコ・スリラー。(彼本来のSFホラーとはちょっとズレるかも)
陰鬱な空気感といい毒々しい小道具といい、いかにもクローネンバーグらしくて潜在意識を大いに喜ばせてくれた。ギャラリーに展示されてた奇妙な形の医療器具はまさにアート。私っておかしいのかな?(笑)実際MOMAなんかにあっても全然おかしくない。
ジェレミー・アイアンズの二役の演じ分けが見事!彼の陰湿で病的な雰囲気はあまり好きじゃないけど、『ダメージ』や『ロリータ』や本作みたいな役どころはピッタリで魅力的に映る。合成映像の技術そのものも全く違和感なくてスゴイと思った。
もともと一卵性双生児の心理はとても興味深くて、以前原書で読んだウォーリー・ラムの小説『I Know This Much Is True』を思い出した。
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