ぽん

愛がなんだのぽんのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
3.6
角田光代が原作。面白い訳だ。

フランス映画のような空気感でエリック・ロメールを思い起こした。会話がとてもイイ。
相手のことが好きすぎて自分を犠牲にして尽くしまくるヒロイン。でも、犠牲を犠牲とも思わない、見返りがなくてもOKってとこが面白い。見ていて辛くならないから良いけどちょっとイラッとはするかな。

客観的に見てテルコちゃんが幸せだとは思えないけど、そんなのは私の勝手な判断。本人が「私はこれでイイ」と決めたのだからそれでイイのだという日本人らしからぬカラッと乾いた、でも、相当に粘着質な片思い、という特異な恋愛模様に最初から最後まで目が離せなかった。

それにしても岸井ゆきのちゃんは絶妙ですね。役を演じているって感じがしない。「そういう人」に見えてしまう。「神は見返りを求める」(2022)でもなんとなく癇に障る女子が絶妙だった。嫌悪と同情の間で感情が引きずりまわされてしまう。気になる女優さん。
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