マテ

THE GUILTY/ギルティのマテのレビュー・感想・評価

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
4.9
「痛いほどの沈黙」というものを、身をもって理解した。息をするのすら躊躇われるほど真剣に相手の状況を汲み取ろうとしたのは、はじめてかもしれない。主人公にひどく共感できる…というか、まるで自分が彼と一体化してしまったかのような緊張感がある。
画面に映っているのは「こちら側」だけ。しかし電話の向こうの状況が、まるで映像で見せられているかのように鮮明に想像できる。そしてその脳裏に描いた映像が徐々に変化していく気持ちよさもある。主人公が告白した罪深さも重くのしかかり、胸が苦しくなった。

マッツの出ていないデンマーク映画は初鑑賞だったが、素晴らしいの一言。これまではマッツ出演作を数作ほど観てきたが、愚かで罪深く、しかし悪人とも言い切れない人間を生々しく描くのがデンマーク映画の特徴なのだろうか。だとしたら、やはり私はとても好きかもしれない。
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