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THE GUILTY/ギルティのbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

緊急通報室で電話を受ける主人公だけで映画を完結させたのはなかなか良いアイディアだと思う。ただほぼ主人公しか出てこないとあってこの主人公に肩入れできないと結構辛い。

自分はとにかくずっとこの主人公の対応が最善策とは思えず、「いやそれより早く連絡しないと」とか「そんな余計なことはしないほうが良いのでは」とか「その指示は本当に大丈夫?」とか「人の命がかかっていることを独断で決めすぎ」とかばかり思ってしまってどうにもモヤモヤしてしまった。結果的に全員を安全に保護できたから良かったようなものの、もっとやりようがあったのではないだろうか。犠牲者が増えていた可能性は非常に高いぞ。赤ちゃんが殺されているという展開は胸糞すぎだったが、主人公のせいで子供がそれを見て重篤なトラウマを背負ってしまったのではないかと気が気ではなかった。緊急通報担当が全員こんな奴だったらどの事件も状況が悪化して相当やばい気がする。その上、短気で感情的だし、なんだか人を見下している感じがして好感が持てない。しかも主人公は今現在正当防衛における銃殺で裁判中、そして実は普通に殺人だったということが明かされる。ますます乗り切れない。

誘拐されたと通報してきた女が実はヤバくて男は彼女を精神病院に連れて行こうとしていただけだったというドンデン返しも、まぁ想像の範囲内だし、そもそも主人公の対応に不満があったから「ほらねこういうことも起こり得るじゃん」と思ってしまいちっとも新鮮な驚きが味わえなかった。タイトルからして主人公が罪を抱えていることもわかりきっているし、その割にメインの事件と主人公の罪がそれほどクロスオーバーしないし。

あとこの設定なら余計な同僚とか出さずにもっとシンプルにしてほしかったし、一つの部屋のみで移動もなくして、会話も電話のみにしてほしかったなぁ。ワンシチュエーションで緊迫感を持続させる手腕はなかなかのものだったので、なんだか勿体ない。
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