わっしょい

THE GUILTY/ギルティのわっしょいのレビュー・感想・評価

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
3.6
短いのに長く感じるワンシチュエーション映画。

緊急通報司令室のオペレーターが、誘拐されている最中の女性からの通報を受け、事件を解決しようと奔走する。というストーリー。

劇中は常にオペレーターだけが映され、他の場所で起こっていることは電話の音声を通してしか描かれない。
このオペレーター視点というワンシチュエーションで描かれるのが、この作品の最大の特徴。
捜査や被害者の状況は音声から想像するしかなく、自然と主人公と一緒になって事件の全貌を把握するような見方になる。

また、作品内の時間の流れも現実の時間とリンクしているのも面白い。
鑑賞する我々も、電話をただ待っているだけの時間や電話先からの回答を待つという煩わしい時間を主人公と一緒に味わうことになる。
主人公のオペレーターは、過去に関わった事件でのトラブルからメンタルに難を抱えていて、この待ち時間にイラ立ちを見せる。
主人公と同様に待ち時間を与えられた鑑賞する側も、主人公のイライラを見ることで、つい同じ様にイライラするような気持ちになってしまう。

精神的に不安定な主人公と一体化するような見せられ方になっているので、観る側も心理的に不安定になる。
良いサスペンスの演出方法だなと思った。

劇中での約1時間半の進行を、そっくりそのまま体感することになる。
映画としては短いけど長く感じる。
でもそれが良い効果を生んでいる。
そんな映画だった。
わっしょい

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