ジグソウボーン

THE GUILTY/ギルティのジグソウボーンのレビュー・感想・評価

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
3.7
とうおるるるるるるるる、るるるん...
とうおるるるるるるるる、るるるん...

BGMほぼなし
聴こえるのは電話が拾う音のみ
何がどうなっているのか
電話先の映像は一切なし
回想シーンのような描写もなし
映し出されるのは主人公のいる緊急通報司令室の一室のみ
であれば、主人公も我々も持っている情報はあまり変わらない、似たような立場にある

見えない から注意深く 聴く
電話相手の状況説明や声の調子、そこから聴こえる環境音で想像するしかない

限られた情報量でどのような判断を下すべきか
SNSを頻繁に用いるようになった我々も他人事ではない

どんでん返し要素は正直期待したほどではなかった
大体予想はつく
だからといってつまらない訳じゃない
卑怯な手を使ってあたかもどんでん返しをしたかのように見せる映画より断然良い

それよりもこの設定の徹底ぶりを楽しむべき
ズルをせず、設定を固く守りながら物語を進めていくのだから、どうしても予想は的中しやすくなる
ここで褒めるべきは、一室しか映さない&電話のみが手がかり という設定を本当に最後まで貫き通し、かつ 緊張感を維持し続けていたということ
ワンシチュエーションは飽きが来たらおわり
だからこの類の作品は、若干設定を緩ませた要素が見られることが多いように思う
しかし、この作品は違う
そんな設定で90分間本当に持つのか という問いに 正々堂々とした態度でYESと答えている

こんな作品を作ってくれたことに感謝