ギャスパー・ノエ監督。
相変わらずとんでもないのをぶっこんでくる。
人種も言葉もセクシュアリティも、何もかもがごった混ぜになりながら、唯一ダンスという1点のみで繋がっている集団。
しかしながらそのダンスのスタイルまでもが、各々別のルーツを持っていて、ただ踊るという行為のみが秩序を与えている。
今にも壊れそうな混沌のなか、酒とクスリによって秩序が崩壊し、映画を鑑賞している観客までをも飲み込んで、狂気を孕んだ混沌へと落ちていく。
前半のダンスシーンは圧巻で、一気に世界観にのめり込んだのも束の間、突如おとずれた混沌に全身が総毛立った。
あまりにもリアルすぎる狂気はただただ恐ろしかった。
早く終わってくれとこんなにも切実に願った映画は初めてかもしれない。