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ヘイト・ユー・ギブのerikaのレビュー・感想・評価

ヘイト・ユー・ギブ(2018年製作の映画)
3.0
The Hate U Give(THUG)
"サグ・ライフ"
子供たちに与える憎しみが
全てを むしばむ

スターの弟サニカはその象徴ですね。あの小さな体にどれだけの葛藤があったのか?家族を守る為に幼いなりに考えた結果がそれかと思うと胸が締め付けられるようでした。

スターの叔父で黒人警官のカルロスも、黒人への潜在的な差別を気付かせる大事な役。
サニーの親友は警官に車を止められ身元確認をされます。車から降り車内にあった櫛を手にした瞬間、櫛を銃と見間違えた警官に警告もなく射殺されてしまいます。
"もし白人の車だったら
黒人と同じ扱いをする?
その人を撃つか?
それとも手を上げろと言う?"
そうサニーに聞かれた時のカルロスの答えが、人種差別の難しさと根深さを物語っていると思います。

無抵抗に射殺された黒人青年と、射殺してしまった白人警官。これだけ見れば警官が悪でしょう。しかし、警官には警官の言い分があり、全てを善悪で語ることが出来ません。
この映画は単なる黒人への人種差別、警察の蛮行を扱ったものではなく、もっともっと深い意味を感じる映画でした。
"サグ・ライフ"はネガティブな意味に思えますが、裏を返せば愛情や尊敬を互に持てば良いという意味でもあります。
スターのお母さんが言った"許し、前に進むこと"が解決策なのかなぁと思いました。
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