ザリくん

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのザリくんのレビュー・感想・評価

4.0
2022年11月25日の金ローで再鑑賞。
やっぱ時間軸が長い話好きだな〜
カマキリのシーン何度見てもクソ笑う。

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癖になってんだ、手紙を風で飛ばすの…
手紙は古式ゆかしき通信文化かもしれないが、距離を越え、時間を越え、後世へ、そして大切な人へ言葉を、愛を伝える。

戦時、戦後、近代化の時代変遷。その流れの中で手紙代筆の自動手記人形が歩んだ旅路を果てまで辿る最終章。

劇場公開前、小説勢から彼が生きていることをネタバレされ「いや、アニメシリーズこれで生きてちゃ面白くならないでしょ…」と少し心配してた。杞憂に終わった!ええやん!

ヴァイオレットちゃん、本来多感である時期を戦火真っ只中で生き抜いたせいで感情鈍麻の自閉的コミュニケーションしか取れない後遺症が残った いたいけな激強少女。
その火傷が、代筆というストーリーテリングの職業を通して数々出会う群像劇の中から人間性を見出して変わっていく話がアニメシリーズ本編。
その中でも大きな反響があった第10話、命消えゆく人が遺族に手紙を託す話、これを拡張し、更にヴァイオレットちゃん自身が未だ抱えている問題とも直接向き合う2時間越えの大長編。

人間の繊細な心の動きを細かい表情の機微で表現できるアニメーション。
登場人物達が訪れる折々のロケーション情景を心情描写でありありと魅せる作画。
とことん人間に寄り添ったアニメを作れる京アニの素晴らしさを改めて感じた。
この会社でなければ感動は生み出されなかったと言っても過言ではないと思う。

もうちょいネタバレして書きます
ゲストや回想でアニメシリーズの登場人物がファンサとばかり結構出てくる。
ユリスの弟で泣く。
大切な人に再会できてほんとに良かったね。
エカルテ島の子どもが右前足がないカマキリの無惨死骸を見てギルベルトに例える無邪気サイコパス。
2人して海に飛び込むの劇場で見た時少し滑稽さがあって笑ったけど、2人を包む浅瀬の水面が美しいのでOKです。てか流水を描くのは京アニの伝家の宝刀だから雨が降ったり海が出る度興奮した。
室内灯のゆらぎが場所事に異なっていたのが各家庭の階級を表していて凄かった。
音楽も映画各所に最高の優しさを届けていた。
集大成だった。
ザリくん

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