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ドクター・スリープの3104のレビュー・感想・評価

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
4.0
原作である小説へのこだわりも、“原典”たるキューブリック版への思い入れも、そのどちら満たせたかい?満たせているだろう?と問われているよう。答えは「丁寧にそして見事に満たしている」。
かたや前作の監督は亡くなったので再びメガホンは取れず(生きていても取らなかっただろうけれど)、こなた原作者は健在という結果的に見事なバランス/タイミングだからこそ成立し得た世界なのかもしれず。

因果は巡る糸車。いや、松明は新しく引き継がれたというべきか。旧作の人物を動員してのリレーの描写に胸熱く。ジャックではなくウェンディにより光が当たっているようでそこにもまた胸が熱く。

今作からのキャラではアブラが「不安定な年頃の女の子」的なありがちな造形に陥っていないところに好感。

長い前半部は後半部への助走と解釈。その後半部は見事でときにコミカルで哀しくもあり。
旧作、過去作へのオマージュや再現が横行跋扈し、技術的にもある程度容易になった昨今とはいえ、見事な「展望」だったと言えよう。
(ホテルのサイズが小さく感じられたのは演出意図か)
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