シネリーマン

海獣の子供のシネリーマンのレビュー・感想・評価

海獣の子供(2018年製作の映画)
2.7
大海原を舞台にした"生命"の物語。

テーマの通り話が壮大かつ心証描写が多いため、原作を知らない自分には難解な内容で、特に終盤から鑑賞後は新エヴァを見た時の感覚に近かった。


でも、映像は綺麗な描写が多く、明暗のコントラストが際立っていた。
陽に照らされた水面、浅瀬の水中などの明るい場所では、水面の反射や透明感の表現が綺麗で、これからの時期、海やプールに行きたくなりました。
深海や夜の海、空のシーンでは、"闇"という表現がピッタリなほど暗く、闇の中で輝く星や夜光虫がとても綺麗でした。

そして明るいシーンでは、海洋生物などの"生命"が多く在って、暗いシーンでは"死"の表現が多かったので、生死を明暗で表現しているようでした。


米津玄師さんのエンディングも素晴らしく、ストーリーに合っている気がしました。そして、この曲には次のような大きな効果がある気がします。
本作はエンドクレジット後にも映像があるのですが、本編で"???"となって、エンドクレジット中に帰りそうな人を曲で留めてくれている気がしました。
自分が鑑賞した際にはエンドクレジット中に帰ったのは4〜5人でした。
実際の効果や、狙っての構成なのかは正直わかりませんが、やはりエンディング曲も含めて映画だなと感じました。



最後に余談で少しネタバレですが、自分は中、高とハンドボール部で、部活に1番チカラを入れていたので、映画序盤で、琉花が夏休み初日の部活のために走って登校するシーンは、琉花の楽しみな気持ちが感じられ、あの頃は部活が楽しくて仕方なかったのを想い出しました。
あと、琉花の「私は飛べる」と言うセリフも、ハンドボールの基本動作であるジャンプシュートで、調子が良い時は滞空時間がいつもより長く感じ、ディフェンスやキーパーの動きがよく見えるのも経験あるので強く共感していました。


序盤からラストシーンに繋がるハンドボールの青春映画作ってくれないかな…