シネリーマン

ディア・エヴァン・ハンセンのシネリーマンのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

自殺未遂をするほど心が壊れていたエヴァン。
家族の距離感がイビツだったマーフィー家。

それぞれが望んでいたモノは実はものすごく身近にあったというお話。



予告を見てSNSの拡散で何かが救われる話なのかと思っていましたが、その逆でSNSの闇の部分を強く感じました。
"You Will Be Found"を聞いた人たちが「1人じゃない」と言いながらSNSで拡散しつつも、最初から最後までエヴァンの理解者は1番身近な母親ただ1人で、真実を知らずに拡散した人たちはアラナの件以降は掌を返してエヴァンを白い目で見るというのはSNSの繋がりの希薄さそのもの。


それでも、エヴァンの成長の話としてエヴァンだけにフォーカスして見るとキレイな終わり方で感動しました。

ラストのコナーがギターを披露しているビデオが流れたところは思わず泣いてしまいました。
理由としては、コナーが笑顔でギターを弾いていることでではなく、エヴァンがビデオを送った相手がコナーの家族とアラナというコナーを理解したかった人たちで、うつ病で自分の事で精一杯だったエヴァンが人のために動けるまでに成長した事に胸を打たれました。
歳取ると人の成長に感動するのはなぜなんでしょうね。


2021年 新作54 / 旧作39