いののん

海獣の子供のいののんのレビュー・感想・評価

海獣の子供(2018年製作の映画)
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残業してレイトで観て、やっぱり難しかった。私は、ウトウトしてしまうかもしれないことを承知のうえで、それでも映画館で観たいと思うのだから、これは私にとっては仕方のないことだ。ウトウトすることを不愉快に思われる方がいらっしゃったら申し訳ありません。私はそれでもお金を払って、映画館で観たい。スクリーンいっぱいの映像から、うわーってなって、言葉にできない何かを感じたい。この映画は、いろんな問いを立てながらも、実は真剣には問うてないように感じてしまったし、実は真剣には答えを求めていないようにも感じてしまった。でも、それは私の受け取り方に問題があるのだろう。説明の台詞が多いのも、同じような台詞を繰り返していくのもキツかった。好奇心というものは、前のめりにつんのめって駆け足になるものではないかと思うのだけれど、これは、静かに待ち受ける映画なのかもしれない。それから、エンドロール後の、あの最後の最後の台詞は、いったいなんなん!? 芦田愛菜がよいだけにかえってあの台詞は残念やな。
映像はとてもキレイで幻想的だった。原作も存じ上げずに観に行ってしまったけど、儚くて、したたりそうなほどうるんでいる瞳には吸い込まれてしまいたくなった。表面張力がギリのところで頑張って表面張力していて、そこにあと1滴たらしたらこぼれ落ちてしまう涙を、隠し持っているようにみえる、そんなギリギリの感じの瞳がステキ。海の生き物たちも、光も、美しい。江ノ電好きだし、新江ノ島水族館も、名古屋港水族館も好きだ。インヒアレント・ヴァイスの出だしみたいな画もあって思い出しちゃった(きっと勘違い)。
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