このレビューはネタバレを含みます
見終わった瞬間に「今の日本じゃん」と思った。
外からみてわかりやすく「強そう」「すごそう」なものに執着して、そしてその存在があるというだけで自分たちが強いと勘違いしてしまう。実際戦闘するとなると命中率とか色々な問題があって、もしかしたら空で戦ったほうがずっと強いかもしれないのに。
今すぐ手に入る見栄に執着して実用性や現実味を兼ねてない感じが、ここ数年の東京オリンピックのゴタゴタを彷彿とさせる。
そして皮肉なのが、海軍の人自身が、その「わかりやすい権威っぽいものに踊らされる日本人」という性質を誰よりも理解して船を作ろうとしているところだった。「日本人は負け方を知らない。戦うとなると、最後の1人になるまでずっと戦い続けてしまう。だからこそ、明確に権威や象徴となり得る存在が必要だ。これが無くなったら、もう終わりだと思わせるくらいの。」といった台詞が物凄く心に刺さった。
菅田くん、黒板に書くために数式覚えるの大変だっただろうなあ。柄本佑とのコンビもとってもよかった。そして浜辺美波はとっても可憐で素敵。
もし今戦争が起こったとしたら、殺される前に自分から生きるのをやめようと思った。忘れてしまいがちだけど、今の日本って武力という意味での戦争がないんだよな。それを当たり前だと思わないようにしなくちゃ、と気が引き締まった。
結局沈んだ時に菅田くんは乗ってたのかとか、そういう「その後」もきになる作品だった。
