監督で観る映画を決める偏見をしていた事を謝罪します。日本一のヒット受注業者監督、山崎貴の反戦映画!?
『数学で戦争を止めようとした男の物語』『戦艦大和VS天才数学者』と予告で大体のストーリーが予想でき、結末も感動強要の無難なものなんだろうな……とこれまでの山崎貴監督作品へのアレルギーもあり、期待せず低いハードルで観るつもりだったが、今回揺るがない歴史的な事実として
“日本が開戦して敗戦する”
“戦艦大和が建造され沈没する”という高いハードルがありながら、それでも面白く観れてしまったことに予想は良い意味で覆されてしまった!!
主人公の軍人嫌いの数学者の「美しいものは測らずにはいられない」と言うように周囲から変人に見えるがその徹底した数字数式への狂信ぶりや多くの人を殺す死ぬ戦艦を美しいと言ったりする姿に純粋さと危うさを垣間見ることができ、その時代の常識人である軍人のプライドの高い不遜な態度と理論、組織の優位を取り繕うための不正と虚偽は現代に通じるところがあり、
戦艦建造を巡る派閥争い“何のために戦艦を建造するのか？”という展開と、ラストにこみ上げる戦争に対する嫌悪感と虚しさを感じさせてくれる稀有な戦争映画だった。
