蛇らい

ふたりの女王 メアリーとエリザベスの蛇らいのレビュー・感想・評価

2.6
数ある英国王室もの映画のひとつに収まってしまった印象。特出した場面の切り取りかたや斬新な展開などはなく、丁寧に史実を映像化しただけに留まっている。

主要キャストにシアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーという、実力と知名度、人気を兼ね備えたこのふたりをわざわざキャスティングするまでもないようなストーリー。一応、アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイル賞と衣装デザイン賞にノミネートされているように、各技術部門の人たちの人選にも力が入っている。なぜ長編をあまり撮っていない監督と脚本家にこの大仕事が回ってきたかのか疑問だ。技量と制作費が釣り合っていなく、もて余してしまっている気がする。

物語はイギリス女王とスコットランド女王の対立と共存を描いている。互いに合わせ鏡のような存在でありながら、真逆の思考を持ち合わせており、女王としてのプライドとプライドのぶつかり合いが楽しめる。

ただ、王室ものに陥りがちな内輪での一喜一憂だけを見せられている気がしてきて、外のこちら側としては完全に肩透かし状態。遥か昔の海の向こうで起きていたひとんちのごたごたを見せられて何を思えばいいのか解らなくなる。それを映画的な見せ方で楽しませてくれないと、本で史実を確認だけしているのと一緒だ。

シアーシャ・ローナンとマーゴット・ロビーの演技は本物なので、ふたりが好きならまあまあ楽しめると思います。
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