オリカ

岬の兄妹のオリカのレビュー・感想・評価

岬の兄妹(2018年製作の映画)
3.9
観賞後、ズーンと暗い気持ちになった…。簡単なあらすじしか見ていない状態だったのと、ポスターの雰囲気からあまり期待せずに鑑賞(ごめんなさい)。

しかし 良い意味で期待が裏切られたし、すごく見応えのある作品でした。

映画なのでフィクションなのだけど、実際に 日本のどこかに こんな兄弟が、家族が、きっと沢山いるのだろうな…と思うし、もしかするとこの映画に出てくる兄弟よりも悲惨かもしれない。
(映画はラストシーンがくれば終わりだけれど、現実は死ぬまで続くわけで…。)

足に障害がある兄と自閉症の妹、貧困、差別、売春…

ストーリーとして面白いかどうかという話ではなくて、タブー視されてテレビなどでは放送されないような現状のほんの一部を この映画を通して知ることができたような気がする。

映画じゃないと伝えられないこともあるので そういう意味では観れてよかった。
なので「あ〜面白かった〜」という類の作品ではないですね。
観終わった後に胸に引っかかるものがあるし、しばらくモヤモヤするような作品です。

価値観を覆すような影響力はないかもしれないけど、なんとなく過ごしている生活とか 生き方とか 考え方を改めなくては…と思ったりしたので、良い刺激になったと思う。

監督はこの作品が初長編デビューとなる片山慎三という方なのですが、話題となった『パラサイト半地下の家族』『母なる証明』のポン・ジュノ監督の助監督として経験を積んでいるそうです。

確かに鬱々とした雰囲気だったり、感情表現などが どことなく韓国映画っぽさがあるし 何よりもタブーと正面から向き合う勇気があってすごいなと感じました。





-------- 以下ネタバレ --------


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