けんくり

mid90s ミッドナインティーズのけんくりのレビュー・感想・評価

4.5
まさに10代前半の少年ならではの、不安定で影響されやすい感情を活写した青春映画。

少し悪い先輩に憧れたり、仲間として認められた時に嬉しかったり、真似して悪ぶってみたり、自分が強くなった気がしたり、、(この映画のレベルではないけど、そんなこともあったなぁ)

いまや決別してしまったコミュニティだけど、その時の仲間や経験が悪いモノだったとは正直ちっとも思っていなくて、全くの別世界に進んでしまったことを少し寂しくも思う。

だからこそ、この映画のエンディングは最高すぎた。その煮え切らない想いに決着をつけるでもなく、ただ瑞々しく宝物みたいに「mid90s」に閉じ込めてしまう。。

さすがジョナ・ヒル、誰も「教訓」なんかじゃなくて、「共感」を求めているんだってこと、フィクションの力をよくわかってらっしゃる。