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mid90s ミッドナインティーズのmareのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

90sカルチャー映画の大傑作でジョナヒルのエヴァーグリーンな感性に見事にハートのど真ん中を射抜かれた。90年代のロサンゼルス、スケボー、タバコ、アルコール、店内に響くヒップホップトラック、瑞々しい13歳の瞳に映るものは全てが新しく自由で危険で惹かれるもので溢れている。いい子の殻を破り反抗することで大人に少し近づけたような気がした少年時代、知らなかった世界がどんどん広がっていく喜びの過程に敷かれるべきレールもないしルールもない。彼らの背中さえ追っていれば男としての強さや勲章を手に入れられるという純粋な動機はいつしか確固たる自信へと変わる。自由に振る舞う彼らの背景に絶対にこのコミュニティを死守したい想いがあり、今日もバカみたいに集まって騒いで遊んで、決して楽じゃない日々の毒気を払いすべてを忘れようとする。誰しもある無意味にやり過ごしているようなかけがえのない日々を思い出す愛おしい映画。
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