とにかく胸が苦しくなった。
その年には世界の全てであろう家庭内で兄や母親とすれ違っている少年が、それぞれ境遇が違えど、社会に溶け込むことができない若者たちと交流を深めていく
兄貴はきっとレイたちに出会えなかったスティーヴィーの姿そのものだと思った。彼の流す涙がたまらなく刺さった。かつての母の仕打ちを語り、優しくしたいのに優しくされることなく、ささくれ立った、人の心を持っているキャラクターだ。
そして夜を徹してスティーヴィーを思う仲間たち姿に、その過失を許した母親の姿は、この物語の救いだ。さらにレイの一言も。
彼らがどんな人生を歩むのか、それが幸せなものであることを願わずにいられない。