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サンセットのhi1oakiのレビュー・感想・評価

サンセット(2018年製作の映画)
3.1
身もふたもない言い方をしてしまえば、わけがわからない。劇中の会話上の質問に答えが無いことがほとんどなので、謎がどんどん増えていく。まぁ監督もわからせるつもりはないようなので、それはそれでいいみたい。
確かにわからない=つまらないではない。理路整然とした支離滅裂さにずっと思考させられるから退屈もしない。
傑作『サウルの息子』のネメシュ・ラースロー、独特のピント感(ボカシ感)は継続。主人公を待ち構えては後について行くカメラワークに、観るものは懸命に着いて行くことを強いられる。
「ここにいろ」と言われればウロチョロし、「去れ」と言われれば戻ってくる主人公に翻弄されて、まるで不条理な夢を見ているような感覚に陥る。
“あそこで水を飲んだらどうなったんだろう”とか“なんであそこに行くことになったんだろう”とか、多分もう一度観てもわからない、監督の頭の中にしか正解がない(それさえも怪しい)であろうことに想いを馳せて楽しむ映画。
ネメシュ・ラースローは次でとんでもないヒットを飛ばすんじゃないかと思う。
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