RAMPO

ナイチンゲールのRAMPOのレビュー・感想・評価

ナイチンゲール(2019年製作の映画)
3.0
これはポスター(ジャケ写)がちょっとズルいんだな。

確かに本サイトでもジャンルは「サスペンス」「ドラマ」とされていて、どこにもホラーとは書かれてない。
でも何かネット情報で“リベンジ物”と知り、このポスター見たら、それなりのリベンジホラーを期待するじゃないか。

ところが観始めてみれば、確かにサスペンス要素もあるにはあるが、基本は大英帝国植民地時代のタスマニアの侵略の歴史を、英国軍人将校ホーキンズ等によるアイルランド人流刑者クレア(主人公)とその家族への差別、虐待、暴行殺人と先住民(アボリジニ)への迫害、暴力を通じてその断片をリアルに描き出したものという印象。

そのため、クレアと先住民ビリーによる復讐劇は確かに物語の骨格を構成はするけど、そして一応それは果たされるものの、そこにカタルシスはなく陰鬱な気分は抜けない。

せめて、クレアが怒りと勢いに任せて最後まで攻撃的に行動していたなら…まぁ本作題名が「ナイチンゲール」だからね。最初から最後まで歌うしかなかったのだろう。その無力さに打ち拉がれる。

良作かもしれないし、評価する人はいるだろうし、好きな人は好きな作品だろうとは思うけど、個人的にはそれほど面白さは感じなかった(てか、求めている内容ではなかった)。
不快なシーンも多く、また、あまりにダラっとした展開が続くので倍速視聴してしまった。
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