スレンダーマンという、よく知られた(そして怖い)ものを扱いながら、まったくいかせていない。がっかりした。
変身可能と銘打っておきながら、せいぜい手が枝のように増えるだけだし、どんなふうに怖がらせてくれるのかと期待していたら、ほとんど同じ手法しか使わない。
ならば、作品を通して秀逸なアイデアを提示してくれるのかと思えば、現代のSNS文化、インターネット文化をありきたりな仕方で適当に批判して見せるだけ。
それに、最後に主人公が自分の妹のために自ら犠牲となるのなら、物語の最初では彼女らの確執を描くべきと思えるにも関わらず、始終二人は仲良しで、何がなんやらわからない。何度も見せつけられる半開きの扉にしたって、最終盤、主人公が通るだけで特に意味はないとくる。
怖くもなければ、面白くもないし、なんの思いもこもっていない変な映画。