晴海通り

永遠の門 ゴッホの見た未来の晴海通りのレビュー・感想・評価

3.6
文字通りゴッホの目線・視点から描いたというのが新鮮。病の兆候としてのシーンは、画面の下半分に靄がかかっている。

ゴッホを可哀想な人としては描いていない点がよかった。そして画面が美しい。ゴッホの見ていた、見たかった世界が擬似体験できるようだ。しかしやはり孤独。自分をぶつけ、そしてそれを受け止めてくれるのはキャンバスのみ。しかし独特すぎるその画風は、まだ周りの理解が追いつかない。自らが没入できる世界でも、彼は痛烈に孤独を突きつけられる。そして病と才能が不可分になってしまうと、余計に苦しい。

人とは違うということ、理解者がいないということ、話を聞いてくれる人がいないということ、語りかけてくれる人がいないということ。孤独は人を傷つける。しかしその孤独や、孤独から見出した希望が描かせた作品は、時を超え私たちの胸を打つ。
晴海通り

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