Mariko

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のMarikoのレビュー・感想・評価

4.5
驚いた。完璧だった。

40年代のジューン・アリスン版があまりに好きで、90年代のウィノナ・ライダー観ても全然納得しなかったので、今作は、そもそもこれまでシアーシャにあまり好感持ってなかったのもあってここまで見送ってきてしまったのだけど、キャスト全員、これはなー って思う人がほぼいなかった!
大好きなジョー・マーチをシアーシャ・ローナンでここまで納得させてくれるとは思ってもみなかった。
強いていうならフローレンス・ピューのエイミーはちょと違うかな...(もうちょいアクが欲しい)と思わなくはなかったけど、それもそこまでダメというわけでもなかったし。

そして誰より素晴らしかったのがティモシー・シャラメくんのローリー。
いわゆるダメ男で、でもいいヤツで、高貴な雰囲気もあるのにフラフラしてて、とにかく一挙手一投足が最っ高にチャーミング。あんなシルキーなパフスリーブが似合う現代人の男って他にいる?!49年版の最大の弱点であるところのローリーをここまで魅力的に描いただけでもこの作品の価値はあまりに大きい。

また衣装も素晴らしいし、主張しすぎない音楽がいいなと思ったら、またアレクサンドラ・デスプラだった。
この人のこの絶妙さかげんは本当に良い。
あと、ピアノ曲のチョイスもよかったなあ。Professorベアがベスのピアノで弾く
Beethovenのソナタ8番2楽章には泣いた。

ただ、私はかなりストーリーを熟知してるので、冒頭から「へえ、また大胆な」と思っただけで済んだけど、何も知らずに観ると、この時系列行き来展開は流石にわかりにくいのでは?とはちょっと思った。
まあ、ここまでの名作で映画だけでも数作のリメイクが作られてることを考えると、そのくらいの演出が必要ではあったのかもしれない。
Mariko

Mariko