あまりにド直球で観ている方が恥ずかしくなるのだが、そのラインさえ超えてファンタジーに近く、昭和の学園物のようななまぬるさを楽しむ作品だろう。
それにしても制作者はターゲットをどこに置いていたのか不思議だ。
勿論ドニーのファンは観るであろうが、それ以外はPG12指定だから小学生はダメだし、中学生、高校生にはあまりに現実離れした内容で、共感とかのレベルではなく失笑をかうこと間違いなしだ。
日本で言えば昭和世代が懐かしむってのがあるかもしれない。
それも「金八シリーズ」のふた昔ぐらい前の「飛び出せ青春」「われら青春」などの「青春シリーズ」だ。
元軍人ってとこを除けば、多分そっくりなストーリーがあると思う。
その売りである「元軍人」ってのがまた中途半端で、アクションを入れるために後付けした設定のよう。
どうしてこのストーリーで行こうと思ったのか不思議だったが、どうも調べてみると元々ドニーが
「子供達を取り巻く教育制度や社会、家庭環境について常々問題意識を持っており、この映画を企画した」
という事で重いストーリーにしようと思ったが出資者が集まらず、エンタメに走ってしまい、それも迷走気味になり今作のような形になったようだ。
頭の中で「太陽がくれた季節」をエンドレスで流しながら観ると昭和世代は楽しめる作品。
余談。
人前で歌ってみせる。
ゴーカートで街中を疾走して親を説得。
研修に連れ出す。
ギャングを倒す。
もうね、これだけで改心するなんて夢物語ですよ。
人間ってそんなに簡単に変わる物じゃない。逆はアリね。堕落する方の変身はいともたやすくできる。
そして
「去っていく先生を生徒全員で追いかける」
このシチュエーションはもう大爆笑。
ホント昭和40年代だわ。
この歌が頭の中で鳴り響くよ。
♪きみは、何をい~ま、み~つ~めているの♪