逆鱗

37セカンズの逆鱗のレビュー・感想・評価

37セカンズ(2019年製作の映画)
3.5
障害を持つ者もそうでない者も、みんな誰かの大切な人。
だから、生きているだけで価値がある。
そう思える作品だった。

みんな己の立場で悩みやコンプレックスがある。
それは障害があってもなくても同じで、己の問題なので他人と比べて自分の方がマシなどという問題ではない。
みんな自分の問題が一番大変で、一番に解決したい。

そして、どんなに相手が不憫であっても、他人の課題には介入できない。他人の課題は解決してあげられないからだ。
本人がその気で立ち向かう決意をしない限り、差し伸べる手は余計なお世話でしかない。ただいつでも支援をする気持ちを示すことを忘れてはいけない。一人ではなく、味方がいるのだと。
これも障害を持つ者もそうでない者も同じことである。

あの人みたいだったらとか、あの人よりはマシなんて、他人と比べてみることは他人の時間を生きること。
みんな等しく、前を向いて自分の時間を生きるしかない。
それが自分の大切な人の喜びとなり、自分が生きている価値になるのだ。
あなたも私も生きているだけで価値があるのだ。

そう思わせる作品だった。
逆鱗

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