ちろる

マイ・ブックショップのちろるのレビュー・感想・評価

マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)
3.7
1959年、イギリスのとある海岸沿いの田舎町に1軒の書店が開店した。オーナーは戦争未亡人であふフローレンスは書店が1軒もないこの町に夫との夢だった書店を開業したのだが、保守的な町の人々はフローレンスのこの開業に冷淡な目を注いでいた・・・
すごく観たかった作品、期待してたよりもずっと静かで地味な作品でしたが、引きこもりの老紳士エドマンドとの知的な交流が美しく印象的で少し泣ける。
フローレンスの開業によく思わないガマート夫人の偽善者ぶりは、ほんとに清々しいほど分かりやすく、当時の階級社会ならではの圧力という事ではなく、今の時代の日本でもいるいるーこういう奴!といった感じなのです。
この夫人歪んだ特権意識VS真面目で正面すぎるフローレンスのような縮図になっていく展開はとってもいいのですが、だとするとラストの展開はなかなか複雑な気持ちにさせられます。
因みに原作のラストはこれと違うらしい・・・

キャスティングチョイスがとても良くて、
豪邸に40年間も潜む老紳士がこのビル・ナイってとこがとても良いです。
そして主人公を演じた可憐で知的な印象のエミリー・モーティマはこの作品にピッタリはまり、グリーンのカーディガンの服装や少し薄暗いけれどシネマフォトグラフィックな景色が静かなこの作品を彩ってくれました。
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