このレビューはネタバレを含みます
試写会にて。大きく2つの事件を巡る話なのだが、そこが引っ掛かかる。同じ集落の中で起きた悲惨な事件であるのは確かだが、それを繋げる意味は?終盤、編集と台詞で無理やり繋げられているようにも錯覚するが、少し考えれば乱暴なまとめだとわかる。楽園、というタイトルについても同じ。全然ズレている気が。「誰かが犯人になってくれればよかった」と、スケープゴートを欲する大衆を代表するような台詞が出てくるわけだが、そういうことを繊細に扱いたいのならこそ、ひとつの事件、ひとりの、犯人に至る我々の心の内をじっくり描くべきだった。役者陣は良かったが、恐らくその良さを見せたいが為に挟んだだろう幾つかのショットも散漫さを加速させた。非常に勿体ない。