あさのひかり

ぼけますから、よろしくお願いします。のあさのひかりのレビュー・感想・評価

4.7
ずっと書きかけにしてたけどようやくまとまった。これからきっとこの映画を観たことは、自分の中で大切なことになると思うので、感想を残しておきたかった。


歳を重ねて痴呆となった母、それを支えながら共に生きる父、その様子を離れて仕事しながらも見守りつつ取材する娘がこの映画の監督。個人的にはこの監督と故郷も近く、親元離れてひとり暮らししながら仕事して、っておかれてる状況も似てるし、そういう意味でも、すごく身近な映画。

この映画が素敵なのは、モデルとなった監督のご両親が素敵だから、につきる。

お父さんは、奥さんや娘さんのことを考えて、いちばんいい道を選んだ結果、初めて家事をすることにした。お母さんは、もともと素敵で立派な奥さんだったからこそ、痴呆になってしまった自分に歯がゆさや悔しさを感じている。冒頭、娘さんが入院したときにそれを支えるお母さんの姿がありましたが、気づかいすごくて、なんて素敵なお母さんなんだ、と思いました。

お父さんの鷹揚な態度には、家族への愛があふれてるし、お母さんだって、自分が家族の負担となることを苦しく思っている。あと、娘さんが自分の姿を映してるのを認めてあげてるのも、娘さんへの愛よね。この撮影が負担であるなら、無理に撮影してあげないで欲しい、とも思ったりはしました。

題名のもとになった場面、お母さんの気づかいとかが感じられる素敵な場面だった。そして何より最後の場面は、予告にも使われてて、ほほえましいって思ってたんだけれど、いろんなことを映画を通して知った後に観ると、何十年も思いあい、寄り添ってきたふたりだからこそ出来る、すごく素敵な場面で、そこを目にした時は涙が止まらなかった。
あさのひかり

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