男性の体に生まれたトランスジェンダーの主人公が、バレリーナを目指して、葛藤や苦悩を抱えながら夢を追いかける姿を描いたヒューマン・ドラマ。
ルーカス・ドン監督の長編デビュー作。
原題:Girl (2018)
15才のトランスジェンダーのララ(ヴィクトール・ポルスター)は、父(アリエ・ワルトアルテ)に支えられ、バレリーナを目指して名門のバレエ学校への編入を果たす。
2年後にペニスを切断して膣を造る手術を予定、今はホルモン療法を受けている。
バレエの練習中はペニスをテープで覆い隠すため、陰部は炎症を起こす。厳しいレッスンで、足には血が滲む。
練習に励むが、思春期の身体の変化で思い通りに動けないことやライバルからの嫌がらせなどで、心と体はバランスを崩していく。
女性の体(性器)が欲しいララはある行動に出る…。
「やめて、ヴィクトール。
…あの名前で呼ばないで」
「女の子になりたいだけ」
ララの家族は、父と6才の弟の3人(母については何も語られない)。
主人公を演じる映画初出演のヴィクトール・ポルスター(シスジェンダー)が好演。
カメラも心の揺れ、葛藤を丁寧に描写している。