自分は何者なのか。
差別が色濃く残る南部への演奏ツアー。
黒人一流ピアニスト、イタリア系アメリカ人の運転手。
黒人であるというだけで、どんなに素晴らしい人間性や才能をもってしても、取り去ることができない、白人との壁。
そして、セレブな一流のピアニストであることでまた、"労働力"である多くの黒人とも壁がある。
誇り高い生き方をしながらも、心から安らげる居場所を持てない孤独な生活。
黒人だから、白人だから、という枠ではなく、自分は自分であることを、二人の交流の中で確立していく。
シャーリーは恵まれている。
作品賞の受賞に否定的な意見があったことは納得できる。