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グリーンブックのsundayのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
3.5
素直に旅の終わりを喜べる映画だった。
イタリア系のトニーは最初黒人ピアニスト、ドンに人種的偏見を持っているが、演奏を聴き才能にほれ込む。ここがよかった。黒人の運転手兼用心棒なんて屈辱的なことなのだろうが、金のため、そこはビジネスとして仕事をまっとうする。ここもよかった。

1962年の出来事。今から57年前。アメリカの階級は金より人種か。イタリア系も、訳語では「イタ公だから黒人の運転手か」と言われ白人でも一段下に見られている。裕福な黒人のドンはどんな豪華な暮らしをしていても黒人なのだ。

調べると、1964年にケネディのあとのジョンソン大統領が公民権法を成立させ公共施設での黒人差別は撤廃されたとある。その前夜の出来事だ。また「白人の救世主」に対する批判もあったと出た。これは白人が非白人を窮地から救い、救出の過程で自身についてしばしば何かを学ぶというものだそうだ。初めて知った言葉だが、アメリカ映画に多く見られるといい、確かにそう言われればこの映画もあてはまるだろう。

実話ということで、脚本は運転手の息子が加わっている。
音楽家ドン・シャーリーは初めて知った。ジャズはけっこう聞いているのにまったく知らない。アマゾンだと輸入盤はある。youtubeで出てくる「Don Shirley Trio - Blue Skies」が映画で出てきた曲か。映画ではクラシックを学んだけど黒人だとクラシック界では成功できない。レコード会社に言われポップスをやってる、とセリフがあった。クラシックっぽいジャズみたいな。


2018アメリカ
2019.3.20劇場で
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