mitakosama

サラリーマン一心太助のmitakosamaのレビュー・感想・評価

サラリーマン一心太助(1962年製作の映画)
3.0
東映YouTubeにて。中村嘉葎雄が一心太助の子孫であるサラリーマンを演じるコメディ。東宝のサラリーマン忠臣蔵とか、そういうネタは多かったんだなぁ。

現代の石井太助は葵食品なる会社に勤めている。魚の卸のようなことをする会社のようで、卸先の取引を開拓する営業みたいだね。
葵食品の社長は葵光男。当然家光をもじってるのだろう。このワンマン社長に渥美清。
ワンマン会社の営業課長が大久保彦左衛門の子孫で、進藤英太郎が演じる。
渥美清も、進藤英太郎も、普段のイメージとはちょっと違うキャラクターを演じていて面白いね。

ワンマン社長が合理化の為に営業部のソロバンを辞めコンピューターを導入。営業課長は断固拒否だ。でもコンピューター会社のプログラマーであるヒロイン(三田佳子)と仲良くなり太助は一躍営業成績を上げ、出世頭に。

劇中ではコンピューターを使って、人間の未来が占えたり、売れる営業先が判ったりする。この時代はコンピューターで何が出来るのかよくわかってなかったんだろうなー(笑)

太助はコンピューターを使った営業で業績を上げるが人間性を失って孤立していく。機械に捕らわれた人間の末路だそうな。そんなバカな(笑)

そしてヒロインとの仲をやっかむコンピューター会社の男(田中春男)の妨害で大損害を受けてしまう。コレが凄い。町中をトラックで大混乱させて電車も止めてしまい、群衆から抗議デモをくらい、社長は国会で糾弾される。太助は逮捕されちゃうのだ。
ムチャクチャだが、この群衆しーんは単純に凄い。モブを大量に用いた撮影はそれだけで見応えある。

こんな社会問題を起こしておいて普通だったら会社は倒産だろうが、心機一転頑張るぞー!で終わる。雑だなー(笑)
大久保彦左衛門の古くさい考えも何かが変わった訳じゃ無い。
結婚を餌に恋人をたくさん持つ社長は事件以降に改心し1人に絞るが、他の恋人は皆捨てたということか。それもどうなんだろう。
そもそもコンピューターの業績向上を独り占めしていたことがオカシイ。最初から社員全員で取り組めば良かったじゃ無いか。

なんか全体的に凄い荒いぞ!一心太助役はやっぱり錦之介に分があるわ。
mitakosama

mitakosama