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華氏 119のkassyのレビュー・感想・評価

華氏 119(2018年製作の映画)
3.5
試写会にて。

マイケル・ムーアの最新作。
奇しくも9/11から11/9へと数字をひっくり返したのは何かの因縁も感じる。

恐らく日本人もまさかトランプが当選するとはと思った人が多いのではないだろうか…
本作はなぜトランプが当選したのかをメインテーマとして描きながら、
現代のアメリカにおける問題として、フリントの汚染水問題や銃乱射事件や教師のストライキなどを幅広く取り扱って、民主主義について今一度考えるきっかけを与えてくれる。

本作で描かれる事象は決して人ごとではない。
汚染水をひたすら基準値を下回ると虚偽の発表をし続ける様は、何かを想起するはずだ。

トランプの行く末、ひいてはアメリカの行く末を案じたマイケル・ムーア。
でもまだ声を上げる人がいるから、希望はあるのかもしれない。若者たちの純粋な民主主義活動に、監督も光を感じている事だろう。そして、それを撮り続けるマイケル・ムーアのような存在がいる事も、また光なのだと思う。

声を上げる人が見えなくなった時、本作が危惧する未来へと、向かっていってしまうのかもしれない…
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