スガシュウヘイ

華氏 119のスガシュウヘイのレビュー・感想・評価

華氏 119(2018年製作の映画)
3.0
トランプ大統領誕生は、衝撃的なニュースだったなぁ。これは確かに歴史的な「事件」だった。

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トランプ大統領当選のシーンは、まるでお葬式のような暗い雰囲気になっていた。
本来ならここで、「印象操作だ!」と怒るところなんだけど、今回の場合はなんか笑っちゃったな。
ヒトラーに準えたりもしてたが、いくら何でも無理があると思う。この辺私にはドキュメントというより、映像的ユーモアとして楽しめた。

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団結すれば政権を倒せる。団結されないよう、政権は市民を分断している、みたいな台詞が印象的だった。

今はどこもかしこも壁だらけ。誰も彼も、自分に都合のいいニュースしか端末には出てこない。それはターゲティング広告といって、その人が読みたくなる記事だけを表示するような仕組みになっている。

限られた情報にしかアクセスしない人々。そして、どんどん偏屈になっていく。ネット上には議論というより、攻撃目的の投稿があふれる。分断は決定的となる。

これは、政権の仕業などではなく、私たちが勝手に陥っているだけなのだ。

汚染された情報に惑わされぬよう、正しく幅広い知識にそれぞれがしっかりアクセスする術を身につけなければ民主主義の土台が成り立たない。

団結しなければ政治は何も変えられない。


公開:2018年
監督:マイケル・ムーア