プペ

幻影師アイゼンハイムのプペのレビュー・感想・評価

幻影師アイゼンハイム(2006年製作の映画)
4.5
なるほど、よく出来た映画だ。
身分の違う女性ソフィーとの悲しき過去、そして殺人…
「ミステリー」と「サスペンス」の要素が上手く合わさっている。


幼い頃、アイゼンハイムは、自身の″奇術″の未熟さ故にソフィを失っていた。
それから彼は世界を転々とし、取り憑かれたように″奇術″の全てを学び尽くす。

そして月日は流れ、彼はウィーンの地に戻ってきた。

彼のイリュージョンは、美しくて、幻想的で、完璧な神の仕業に思えた。
誰も彼の奇術がインチキだという根拠は見つけられなかった。

悪名高い皇太子からソフィを奪還するため、アイゼンハイムのリベンジの鐘が鳴るとき、警察、権力者、観客、関わる全ての人々が、″幻想の闇″に包まれる。

ソフィを守るため、神をも騙す威信をもって。


アイゼンハイムのイリュージョンの映像が美しく圧巻。
死者を蘇らせる力を身につける過程で、負の力も吸い込んだ為だろうか。
皇太子の息のかかったウール警部も躍起になって彼を追ったが、結局、彼の術中にはまり、気づけば一番のファンになっていた。
見る人全てがウール警部のように釘付けになり、騙され、最後は微笑んでしまうだろう。

そのトリックの果てには、悪を征して、取り戻した最愛の者との「楽園」が待っているのだから。


とにかく本作はあまり予備知識をいれずに鑑賞して頂きたい。
そして、まだ未見の方は今すぐにでもこの逸品を手に取り、お近くのDVDプレイヤーにセットすべきだ。
プペ

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