イノマン

ジョーカーのイノマンのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.0
バットマンの宿敵にして
悪のカリスマ誕生の物語

圧倒的衝撃作『ジョーカー』

悩める男の内面を描くドラマは観る者の心をえぐるほど見応えがあり
何処からが妄想で、どこまでが現実なのか

スクリーンのなかの主人公は狂人(ジョーカー)へと変わって行くがこれはファンタジーなどでは無い。

観ている多くの人が少なからず共感してしまうところがあるのではないだろうか?

『自分にもこんな瞬間がある…』と気が付かされるところがこの作品の怖さである。

闇堕ちする男のドラマとして
是非オススメです!


さて、ここからは余談
バットマンの図式はとても興味深い

バットマンの敵は皆派手に着飾り自分を曝け出し欲望のままに行動するのに対してヒーローであるバットマンは黒尽くめで正体を隠し自分を殺して生きている。

欲望の内容はさておき、生き方においてはどちらに共感できるだろうか?
どちらにも振り切ってしまうと結局は“狂人”他ならないが、欲望を捨てきる人生ってのはつまらないし、そもそも現実味もない。
だからダークナイト・ライジングのラストの“ブルース・ウェイン”にホッとさせられる。


スコアを伸ばさなかったのは
ジョーカーのオマージュ的ドラマとすれば満点かも知れません。
あくまでバットマンの宿敵、悪のカリスマジョーカーと言う点を考えると、パンチが無さすぎます。
やり合えるのはアダムウェスト版バットマンくらいでしょうか。
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