ギズモX

ジョーカーのギズモXのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
2.8
人間社会で育った白ウサギのバッグスバニーは、幼い頃から芸人の道を志すも始めはショーの案内役ばかり。
そんなある日、彼に主役の代役が急遽舞い込み、バッグスは全身全霊で舞台をこなしますが、客のウケは悪く、自信を無くしたバッグスは活動を休止してしまいます。
その後、世界は大不況に。
街は浮浪者で溢れかえり、バッグスもその内の一人でしたが、大スターのエルマーファッドにスカウトされ、二人でコンビを組むことに。
しかし、その役回りはエルマーのやられ役。
仕事の恨みつらみが臨界点に達したバッグスは、ある日のニューヨークでのショーで遂にエルマーをぶちのめしますが、怒り狂ったエルマーはバッグスに銃を突きつけ、彼を撃ち殺そうとします。
絶体絶命のバッグスはとっさの一言。
「どったの、センセー?」
するとどうでしょう、これが客に大ウケ。
彼は一躍人気者となり、ワーナーブラザーズ社にスカウトされ、スラップティックコメディ軍団"ルーニーテューンズ"の大スターとなるのでした。
めでたし、めでたし。
ルーニーテューンズ『What's Up Doc?』より

僕はこの映画を観る直前、多分こうなるんだろうなあと予想していた。
生きる希望を無くした一人の大道芸人が、ある日突然ヤケになって、人の命なんてなんとも思ってない狂気のギャグをぶちかまし、ゴッサムを阿鼻叫喚の地獄絵図へと塗り替えるんだろうなあと。
そんなふうに考えていた時期が僕にもありました。

その予想は悪い意味で外れてしまった。
なぜ銃を持つ?なぜ銃に頼る?
アーサーが銃を持ってしまってから、この物語は変な方向にへと進んでしまった。
銃ではなく、命を張った過激なコメディでデニーロをぶちのめしてほしかったんだよ!
TVの前で下半身露出とか。デニーロにクソを投げつけるとか。爆発オチとか!
他にも色々とやれただろ?

ホアキンの演技は最高だ。
階段で踊りまくるあの場面は僕もノリノリな気分になる。
でも、その宙ぶらりんな着地点には(本当にそれでいいのか?)と問わざるを得ない。
最後の彼の姿は人生にもコメディにも負けてしまった哀れな道化にしか見えないからだ。
僕にとってこれはバッドエンド。

本当の意味で笑いの仮面を被ったのはコイツら。

https://youtu.be/6KDgDYdug6M

ワイリーコヨーテ万歳!
コヨーテを称えよ!!

【追記】

僕のベストジョーカーはジャックニコルソンです。
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