とし

ジョーカーのとしのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.8
アーサーの生い立ちと境遇を考えると辛すぎるな‥‥。
誰からも愛されず、尊敬していた大物芸人からもバカにされたアーサーの悲痛な叫びが、結果的に貧困層の人々の代弁となったのか。
富裕層に蔑まれてきた貧困層の暴徒たちによって英雄と持て囃される。

アーサーがテレビを通して訴えた言葉は間違っていないし、気持ちもわからないではないが、やり方は絶対に間違っている。
でも、正攻法では貧困層の声は富裕層には届かない。
そんなジレンマが何とも言えない後味の悪さとなり、この作品を観たものへのメッセージとなっているように感じた。

本人が感じている気分や感情とは関係なく、笑いや泣きといった情動表出が発作的に生じる「情動調節障害」というものが本当に存在するらしい。
当事者から見て、この作品はどのように映るのだろうか。

24-25
とし

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