ラスコーリニコフ

ジョーカーのラスコーリニコフのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.0
架空のゴッサムシティを通じて、現代アメリカの分断の闇を描く傑作。バットマンユニバースとの繋がりはありつつも、独立した作品として楽しめる。この作品を見て、ジョーカーに同情しない人物はいないのではなかろうか。精神病と診断されるものの、果たしてそれは先天的なのか、後天的なのか? 母に関する真実がジョーカーへのトリガーとなり、もはや殺人衝動を止めることはできなくなる。ジョーカーを生んだのは、ゴッサムシティそのものである。自己責任論が後退する契機となればよいが、この作品の放つ闇は強烈なので、影響されすぎないようにしたい。