フェミ研ゼミ

ジョーカーのフェミ研ゼミのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
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こんな終わりじゃあかんのじゃないか。
って思った。

タクシードライバーとかキングオブコメディみたいに、「狂ってしまった人の話」として距離を置いてみせる映画じゃなかった。
上二本の映画は主人公たちの孤独の狂気に共感しつつも、結末はこんなんじゃいけない。彼らに共感してしまっている自分もここまで狂う前にどうにかしなくてはいけないって思い直せたんだよ。
でもこの映画は、
観客を「お前らもこんな風に思ってるんだろ?火をつけろよ。」とか「こうなったっていいんだよ」と肯定してくれるというか、こうなっても仕方ないよね感があって少し怖いなあって思った。

正直もっともっと心に重たく沈む映画だと思ってたんだけど、全然沈まなかった。
多分、今のご時世こんな感じだからなのかもしれない。
この映画が上映してた頃には想像もしないくらいに世界中大混乱で、日本も然りで。
政府に対して国民のほとんどが不満しかない今観たから、ジョーカーお前だけじゃないよ。という感じで観られたから重く感じなかったのかも。
それに、こんな時代に双子育てる私の方がシンドいかもよ。って双子が寝てる間にようやく観た私は思ったのだ。
でも実際はそんなこと絶対ないくて。
孤独は感じるけど孤独じゃないもの。
それでも、タクシードライバーやキングオブコメディ、ジョーカーでも主人公が感じた孤独と同じような孤独を日中一人で双子に向き合っていると感じてしまう。
だから、ずっとジョーカーを抱きしめてやりたいと思って見てたよ。
髪をグリーンに染めながら踊り狂うジョーカーが可哀想だから可愛く見えた。可愛いから可哀想なのかも。抱きしめてあげたかった。
言葉があるからどんな動物よりも人は孤独だね。ってジョーカー観てたら平原綾香が歌ってやつ思い出した。
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