Ayu

長いお別れのAyuのレビュー・感想・評価

長いお別れ(2019年製作の映画)
2.0
5月31日公開の本作ですが、実は1月に配給会社のアスミック・エースさんのスニークプレビューでだいぶ先に見てました。試写会のレビューも解禁されてるみたいだし私も遅ればせながらレビュー。中野量太監督作品はとにかく前作のメジャー長編デビュー作で脚本も手掛けた『湯を沸かすほどの熱い愛』がすごすぎたので、今作に原作があるストーリーを選んだことに少しびっくり。

認知症を患って7年かけて少しずつ記憶をなくしていくお父さんこと山崎努とその家族のお話なんだけど、山崎努の演技が最早演技じゃなくて本当に認知症なのでは?というレベルで演技していてこの物語にとてつもないリアリティーを持たせているのがすごい。私は年代的にどうしても竹内結子と蒼井優の演じた娘たちの目線で見てしまい、自分のお父さんにもいつかこんな日が来るんだなと思ったら途中から悲しくて悲しくて泣けてきたのをよく覚えている。すでに祖父母はこのフェーズに入っていると思うんだけど、自分の「親」はまたちょっと別だなと思った。本作のキャッチコピーのとおり「記憶は消えても愛は消えない」そんな家族で居れたらいいな、と願う。

原作と少し違うらしい孫の男の子の演技や演出(特に終盤の一番大事なところ)が少し浮ついているのが気になったかな…(『湯を沸かすほどの熱い愛』の杉咲花ちゃんが本当に良かったので)でも監督の次作にも期待。
Ayu

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