まこと

長いお別れのまことのレビュー・感想・評価

長いお別れ(2019年製作の映画)
3.6
「もっともっと連れ添ってみないと」
ミニシアター巡り第五回。今回は宮崎県にある【宮崎キネマ館】
とは言っても宮崎に三年ほど住んでいたから当時はめちゃくちゃ通っていて、ある意味ホームに帰って来た感ある。
今回は急遽嫁が宮崎へ帰省することになり慌てて着いていくことに。
通いなれた映画館ゆえ愛を込めて言うけど、良い意味でぶっ飛んでる映画館でして、一年間で上映する映画の本数は調べてないけど全国でも1.2を争うはず。二番館なので全国に遅れての公開になるのはしょうがない。
しかもたった2スクリーンで。頭おかしい(褒めてます)
それ故にほとんどの作品が1~2週間でオサラバになるから宮崎の映画ファンはスケジュール管理が大変なのよ。
ゆっくりお茶するところが無いのと、映画館と呼ぶにはあまりに狭いけど、最高にクレイジーな映画館。
飯も旨いし暖かい(暑い)人も良い。老後は宮崎が良いなぁと真剣に思ってます。



さて本作。
賛否両論分かれた監督の前作『湯を沸かすほど~』に負けないほどの熱量。
「引き算を覚えた」とのことだけどホンマかいな。
樹木希林さんのように入れ歯をしない山崎努さんの姿は日々認知症の方と触れている私でさえ本当の認知症の人かと見間違えそうになるほど。しゅごい。


「ボケるのも悪いことばかりじゃなかろうもん」そんなセリフが残った『ペコロスの母~』でもそうだけど、認知症を取り巻く環境というのはそんなに簡単ではなくて介護する家族ばかり取り上げられるけど、本人も大変だ。
仕事のこと、家庭のこと、学校のこと。

いまこのタイミングでしか撮れないし、この原作を映画化出来るのも中野監督だけじゃないかなぁ。
やっぱり蒼井優ちゃんは幸が薄い役は良く似合うし(失礼)竹内結子さんの素で笑ってるように見える笑顔は流石(ホントに素かもしれない)


ただ、気になる点はあってそこはコメント欄に。


前作がホントにビックリするくらい好みが分かれていてfilmarksやっていて驚いたのだけど、今回は前作が苦手な人でもたぶんダイジョーブ。たぶん。たぶん。
そこは原作の力も大きいのだと思う。

家族の絆のそばにはいつでも料理があるのだ。
パンチが足りないダシ巻き玉子にレーズン入りのポテトサラダ。
うちのオカンはチャーハンばかり作ってくれてたなぁ。べちゃべちゃの。

【いつかお父さんみたいな大きな背中で
いつかお母さんみたいな静かな優しさで】
福山雅治はそんなこと言うてたなぁ。
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