ベルベー

悪魔はいつもそこにのベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

悪魔はいつもそこに(2020年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

長い…よくこんな豪華スターが揃ったな…なぜ…と思いながら観たけど、最終的に嫌いではない。でもわざわざ映画館では観ないなあ、ネフリだから観たなあって感じ。

宗教を過信することへの警鐘。欧米的には中々責めた内容なのか?この辺りの価値観は日本と違うからなあ。しかし、出てくるヤツら皆悪人すぎる笑。ちょっと吉田修一ぽい。この悪人すぎるというのが良し悪しで、気狂い牧師たちや悪徳保安官まではテーマに沿って受け入れられるんだけど、快楽殺人鬼夫妻は流石にやり過ぎではと思ったり。

しかし演じている人達が人達なので、眺めているだけでも圧巻ではある。本作みたいに、なんでこのテイストの映画にこんなメンバーが…っていうのたまにあるけど、本当なんでなんだろう笑。

まずはトム・ホランド。重めのドラマに出ることはあっても基本陽キャライメージの彼が、今回はガッツリノワール役に挑戦してます。タバコも吸うし、汚い言葉も吐くし、殺人にも手を染める。演技ばりやべえ!ってレベルではないんだけど、そのギャップ自体に意味がある。だからキャスティング的には大成功だと思います。

その親父を演じたのがペニーワイズもといビル・スカルスガルドで、神経質の塊みたいな表情が最高にピッタリ。凄惨な戦場を経験して病んでたんだよなこの親父も。アレな言動が息子にトラウマ刻んじゃうんだけど、でも妻と子を愛してはいるわけで、愛してるからこそああなっちゃう…そんな一筋縄ではいかない男でした。

わりとすぐに死んでしまう母親がヘイリー・ベネットってのも贅沢な使い方だ。そして、本当はビル・スカルスガルドと結婚するかもしれなかった少女がミア・ワシコウスカ。凄えな。どっちも記憶よりふくよかで驚いたんだけど役作りかな?ミアの方はさらに悲惨な死に方をする。妹もまた悲惨なんだけどエリザ・スカンレンは「ストーリー・オブ・マイライフ」でも可哀想な役だったので次は報われてほしいなあ…!

変態サイコキラー夫妻をジェイソン・クラークとライリー・キーオが演じているのも印象的。ジェイソン・クラーク、もう悪人顔が似合いすぎてて笑。ライリー・キーオはエルヴィスの孫なのね。初めて知った!彼女がなんで変態髭にゾッコンなのかがもう少し分かりやすいと尚良かったかも。セバスチャン・スタンもファルコンのイケメンぶりを封印したヒールぶりで良かった。「ウインドリバー」もそうだけど、MCUスターが全然違う役柄で共演するの良いよね。

しかしMVPはロバート・パティンソン。「トワイライト」の王子様ぶりも「TENET」の熱い友情ぶりも吹き飛ぶ最低のゲス神父役で、見惚れるくらいにクズカスゴミを気持ちよく演じてくれた。最期の命乞いの生き汚なさとか堪らない笑。吹き替えだと櫻井孝宏氏のクズ演技がまた素晴らしくて最低で最高です。トム・ホランドもFIXの榎木氏なので、たまたまだけど実質「呪術廻戦」やな。
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