ひろゆき

パリ、嘘つきな恋のひろゆきのレビュー・感想・評価

パリ、嘘つきな恋(2018年製作の映画)
3.8
銀幕短評(#549)

「みんな立ち上がろう」(原題)
2018年、フランス。1時間48分。

総合評価 76点。

すぐれた原題です。とてもとてもよくできたラブ・コメディですね。あちこち爆笑してしまう。悪気(わるぎ)のない冗談のつもりのウソが、ひっこみがつかなくなり、どんどんとウソを上塗りしてしまい、いつしか ほんとうを切り出せなくなる。ありがちな話しです。じっさい身につまされますよ。

“ウソはよくないですね、ウソは。その場しのぎにはなっても、遅かれ早かれ どこかから必ずほころびが出る。品性が疑われるか、怒りを買うか、その両方かです。”

と、おなじくフランス映画の「彼は秘密の女ともだち」(#467、50点)の回で書きました。ウソは失敗のもとですよ。よくよく気をつけてくださいね。


(おまけ)

パリからプラハ紀行の巻

この映画のかれと彼女は パリからチェコのプラハに行き、クラシックコンサートを鑑賞(演奏)しましたね。わたしもおなじ旅路で、プラハのコンサートに行ったことがあります。パリで2週間の仕事があり、あいまの土日に せっかくだからと飛行機でぶらり旅をしました。チェコ フィルハーモニー交響楽団の演目はさっぱり覚えていませんが、いい演奏で満足したのは覚えています。

プラハへのフライトは 夕刻のコンサートよりすこし早かったので、ホテルにチェックインしたあと、そのへんのバルに入り、ビールを飲もうとメニューをみると、バドワイザーしかありません。まあ しかたがないべえと バドを注文したところ、これがすこぶるおいしいのです。あとではなしを聞くと、バドワイザーの商標はもともとチェコのものだったのがアメリカが真似をし、チェコとアメリカ(アンバイザー・ブッシュですね)が裁判で商標権を争ったそうです。つまりチェコのバドワイザーは本家本元のおいしい地ビールなのです。

は、置いといて。カシコイわたしは、パリにむけて日本を発つまえに、プラハにいるウチの日本人駐在員(チェコの初代)に連絡をとり、コンサートの終了時刻を教えておきました。できたら相手してくれる?と。はたしてコンサートの終わった土曜日夜のホールの玄関に かれは待っていてくれました(もちろん初対面です)。かれが何を食べたいかと問うので、地元のおいしい居酒屋さんに ぜひ行きたいと頼みます。すると とてもいい店に案内してくれて、はなしが たいへんに盛り上がりました。

が、たのしい食事もいつかは終わるもので。店を出てつぎはどこへ行きたいかと問うので、さあ最近歌をうたってないからカラオケでもいきたいなあ、と本心をいうと、マジっすかちょっと待ってくださいね といいながら電話して、すてきなカラオケVIPルームに案内してくれました。「わたしなんか駐在3年目でココ初めてですよ」とかいいながら。えええ、こっちが マジっすか? ですよ。仕事づかれを吹き飛ばしてガゼン元気になって、おとこふたりで日本の歌をあれこれとうたいます。

と、ふたりでは なんか盛り上がらんなあ、とわたしがぶつぶつ文句をいいだすと(かれとは初対面です)、どこかに消えたかれは 「電話で予約できましたよ」と、席に戻ってきたので なにかなと思ったら。まもなくブロンドのチェコ娘のコンパニオンが ふたり 現われました。たぶんハタチくらいの学生かなあ。背なんかわたしと同じほどあります。そこからは日本VSチェコのカラオケ大会ですよ。国と国との威信をかけた ぶつかり合いだ。彼女たちとわたしとが なんとかがんばって英語の歌をドンドンうたっている横で、肝心のかれは日本語の歌それも懐メロばかりうたっています。完全アウェイです。おそまつな駐在員だなあ、まあでもけっこう使えるオトコだな、というのがわたしの総合評価ですよ。プラハの夜はつづく。。
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